【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



「森里さん、ありがと」


「………」



私の小さな声は森里さんの耳に届かなかったのか、何も答えてはくれなかった。



それでもいい。


私を抱きしめてくれるこの温もりで、私の心は癒されるのだ。



ただそれだけで…、


彼の優しい思いは十分すぎるくらい伝わってくる---




この人は、一緒にいると凄く安心出来る人だな。



胸に顔を埋めガッシリとした身体に腕を回し、疲れた羽を休めるみたいにそっと寄り添った。