【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



佐伯先生に会ったあの日、もしかしたら母さんは逃げ切る事が出来たのかも---


そうだったらいいのだけれど…




足が震えて立ち上がろうと踏ん張ったが、やっぱり身体は言う事をきいてくれない。




「どこにいるの…?か…あさん---」


止め処なく零れ流れ落ちる涙をどうする事も出来ずに、ただその場でうずくまっていた。




どのくらい、時間が経ったのだろうか---