【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



「はぁー…」


しまった…。


ここの扉はシルバーカード以上のカードを持っていないと、開かない扉だったのだ。



この学園にいる者全てに与えられるカード。


そのカードで自分の部屋を開ける事が出来たり、買い物をする際に提示すればすぐに物が買える。


言わばクレジットカードの役割や部屋のカードキー、そして生徒証の役割をする万能カードなのだ。



そしてカードは全て、色別で支給されている。


私の手元にある学生証明カードは、一般生徒の殆どが持っている『白』。



これでは目の前の扉を開ける事が出来ない---




この扉を開ける為に必要なシルバーカードを持っているのは、生徒会・風紀委員・教師。


そしてこの扉を開ける事の出来るもう一つのゴールドカードは、理事長が持っている。



白のカードしか持っていない私では、この中に入る事は出来ないのだ---




一気に身体の力が抜けた。



「母さん---」


扉の前で力なくうずくまる。




早く、母さんの事を聞きたいのに。




どこにいるのか…、


どうして追われているのかを知りたいのに---