【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



「…東條?」


「それ…、私だと思う」



私の今の言葉で、先生の口からヒュッと空気が漏れ出た。


下を向いている私には先生の顔は見えないけれど、それでもどんな顔をしているのか何となく分かる。



きっと、凄く驚いているんだろうな---




先生の話しに出てきた赤ちゃんの瞳の色が、赤色だったと言っていた。


その言葉だけで、すぐに私の事だと気付いたのだ。




「いや…、でもな---」


戸惑う先生の声に反応し顔を上げると、私の顔を見た先生が息を飲む。


それだけで分かった。



前髪から少し見えた私の瞳が、


紅色に変わったのだと言う事を---