「綾香を…、この子を助けてッ!服の中に連絡先の入った紙が入ってるから、そこに連絡して欲しいの」
そう言ってその女は俺に手渡してきた赤ちゃんの額に軽くキスをし、頬と頬を摺り寄せる。
「…綾香。さよなら」
赤ん坊の母親らしき女の目から涙が零れ落ちた。
そんな女の様子に俺の胸が痛む。
でも…、
急にそう言われても困る。
俺はどうすればいいんだ?
「あの…」
「早く行ってッ!!!」
その女に問おうと口を開いたところで、女が焦ったように叫んだ。
え?何だ何だ?
赤ん坊を抱えたままオロオロしてしまう。
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