何度も後ろを振り返りながらも懸命にこちらに向かって走ってくる必死な様子に、何事かと俺の歩が止まる。
「あ、あの…」
俺を視界に入れた女が急に、俺の前で立ち止まった。
「この子をお願いしますッ!」
そう言って差し出されたのは…、
クークー---
その女の腕に包まれて眠る、天使のように可愛い赤ん坊だった。
あんなにも女が走っていたにも拘らず、気持ちよさそうに寝入っているその赤ん坊に心の中で何て図太いんだ…、とそう思っていた。
そんな事をボンヤリと思っていたら、うっかりその赤ん坊を受け取ってしまっていた。
「赤ちゃん?…って、ちょっと何なんだよ?」



