【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



「くすっ…」


「………」



思わず笑ってしまった私を、今度は私に向かって良牙が睨みつけてくる。




なんか、良牙って分かりやすいね。


一緒にいてほっとするよ---




うんっ、なんだか良牙といると凄く安心する。


まるで隆之さんといるような感じだ---




私のホンワカした気配に感づいたのか、少し驚いた表情をする良牙にそろそろ自分の席に行けば?


そう言おうと口を開きかけたところで、担任の先生が教室に入ってきた。




メンドクサそうにチラッと佐伯先生を見た良牙は、ダラダラと自分の席へと歩いて行く。


そんな良牙を見送った後、誰が落書きしたのか分からない自分の席に座った。