【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



真剣な眼差しで俺達に何かを訴えるように見るさやかさんに、俺と蓮はコクリと頷いた。


それを見て安堵の溜息をはいたさやかさんは、即座に俺達に逃げるよう促す。




後ろ髪を引かれる思いで俺達は走ったが一瞬振り返ると、さやかさんは頬を緩めニコリと笑っていた。




『さやかさん…』


『後ろを振り返るな』



俺の小さな呟きが聞えたのか蓮が、乱れもしない呼吸と共に辛そうに言葉を吐いた。