【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



はッ!


しまった---




慌てて口を押さえたけれど、もう遅いみたいで…。




シーーーン---


静まり返るこの空気に、冷や汗が出た。




この男とやっと離れられると安堵した私は、うっかり口にしてはならない言葉を声に出してしまい…


ゴクン…と、喉を鳴らした。



聞こえた…よね?


今の言葉---




嫌な…、予感しかしないんだけど。