【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



会長と…、


目が合った---




いつも通りの冷静沈着な瞳で、射抜くように私を見ていたのだ。




私はすぐに視線を逸らし扉へと向かう。




カチャッ


バタンッ---



扉の前まで辿り着いた私は急いでドアを開け、扉を抜けた。


心臓の鼓動が激しい音をたてているのが聞える。




もう、私が『紅』だってばれたよね?



私はあなた達を相手にする程暇ではないのだから…、


だからもう、私の事なんてほっといて---



今だ紅色に染まった瞳を細め、震わせる。





これから私はどうなるの?


過ぎる不安に頭を振り、私は生徒会室を後にした。