瞳の色を誰にも見られたくなくて下を向き、足を動かそうとしたところで視線を感じ横を向いた。
ここにいる皆のような驚愕とは違う表情が、そこにはあった。
それは困惑…、と言うよりは悲しみに彩られているその瞳に驚いてしまう。
どうしてそんなに悲しそうな顔で私を見るの?
良牙のその表情が凄く気にはなったけど、もうここにはいたくなかった私は皆に背を向けた。
「…仕事の話しがないのであれば…、もう帰ります」
早足で一歩、二歩…と歩く。
「……ッ!」
衝立横を通り過ぎ出入り口に向かおうとした時、物凄い視線を感じて振り返った。



