「すごッ。朱利、大丈夫か?」 「大丈夫だよ、青治。…それにしても綾香、ちょっと女にしては力が強すぎだよね」 「………」 「…綾香?」 楽しそうな朱利とは反対に、時政先輩は凄く心配そうに私の名前を呼ぶ。 動揺…していたからなのだろうか? 私に伸ばされた腕の存在には気づかなかった。 「…く…れない?」 「…っ!」 その名にビクリと肩が揺れる。