【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



先生の視線がチラッと良牙へ向けられるが、すぐに私に視線を戻してきた。




「…なにか俺に聞きたい事は?」


「今の所は---」



そう言えば目を瞑り考え込んでしまった。



でもそれもほんの数秒---


すぐに先生の目は開かれ、『もう行け』と促す。


ペコリと一礼し、そして私達は教員室を出た。



本当は一瞬迷ったの…、


聞こうかどうか---




でも、今はまだ先生に聞かなくてもいい。


どうしても行き詰ったら聞こう。




頭の中で瞬時にそう答えを導き出した私は、先生に今は何も聞く事がないと返事をしたのだ。




これは端に先延ばしをしているだけなのかもしれないけど、



今は…、


いいや---