【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



「そんなに怒んなよ。本当の事、言っただけだし」


その言葉にカチンと来た。


何か頭に来たんですけど!



そう思った瞬間、自分の身体が真っ先に動いた。




ダッ…


跳躍しながら一気に金髪男に飛びかかる。



しかしそれはすぐに避けられてしまった。




しかも軽々と---



え?


そんなに簡単に私の攻撃が避けられるなんて?




「おーっと…」


私の拳を軽く避けた金髪男の右足が、それと同時に一歩下がる。