【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



…と、


ここでいったん、思考を停止する。




あれ?


もしかして今まで私が戦ってきた奴等は皆、私が男だと思っていたのだろか?










……




どうせ私って胸ないし。


きっと私に大きな胸の一つや二つでもあったら、男に間違えられることもなかったのだろう…


そう思うと怒りが沸々と湧き上がってきた。


自分の胸に…、ではない。


胸がないからって男だと勘違いする男達にだ!



それでも何とか怒りを抑えながら『別に…』と金髪男に言ったら何故か、溜息をつかれてしまった。




「…なんだ、ガキか」


「喧嘩売ってんの?」



私がガキ?


何なの、この失礼男ッ!



私の声が思った以上に、低く辺りを響かせた。