【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



「…声変わりはまだなのか?」


「………」



その言葉にムッとして眉が寄ってしまった。




コイツは私を男と思っていたの?


そう思いながら、今自分が着ている服を見てみる。



ジーパンに紺色のパーカーのフードを頭から被ってる私---




あぁ、なるほど…


この恰好だと、男に見えなくもないか。



自分の恰好に納得した私は心の中で頷いた。