私にはいつでも帰れる場所がある。 そう、隆之さんのいる場所に--- だから…、 もう少しだけ頑張れそうだよ。 「ありがと、隆之さん」 「無理するなよ」 「うん。あっ…、そう言えばなにか私に用事でもあったの?」 電話をかけてきたんだから、きっと何かあったんだと聞いてみた。 「いや…、綾香の声が聞きたくなってな」 その言葉に私の口元に笑みが浮かんだ。