二人が話してる間、わたしは言葉が出なかった。

瞬きも出来ずに、黒目に膜が張ったようだった。



「…あー…えっと、長瀬です。よろしくお願いします」



…だって…。だって神様…。



「あ、あ、あ、朝比奈ですっ!こちらこそよろしくお願いします……!」



だって、こ、この人……!!

イ ケ メ ン す ぎ る で し ょ !!


なんなのこの人、同じ世界に住む人間!?
わたしだって自分のこと不細工とは思ってなかったけどここまではないし!

ていうか、美佐子!イケメンいたよ!バイト勧めてくれてありがとう!!



「じゃあ早速着替えて仕事行くか。ちなみに俺、大学1年なんだけど、朝比奈さんは?」

「あ、わたしは高校2年!」

「そっか。じゃあタメ口でもいっか」


長瀬さんに見とれているうちに、衣装ケースが開けられていた。

その中から長瀬さんは、黒いマントを取り出す。


そ、そっか…。

このバイト仮装しなきゃなんだ。わたし、絶対魔女の格好がいい!!