俺は正直、 イライラしているのだろう。 喧嘩のときの声が出た。 重低音な声が男から聞こえる。 「随分な身分だな、 此方が聞きたい。 梓に何故近づく。」 チッ… 呼び捨てな… そこから少し沈黙が流れ、 言い合った。 けれど、 納得するか… 絶対にこの男。 昂という男には渡さねぇ。 それは、 俺がこっそり心のなかで決めたこと。 倒れた梓を抱き抱えた男を 見ながら…