呆れたように首を振る由仁を前に、Aくんは真っ赤になって口をパクパクし続けている。
金魚なの?
酸素不足に苦しむ金魚を気にも留めず、日向の口から手を外した由仁は彼女の肩を抱き寄せた。
「やっぱ、俺にはわかンない。
俺は俺のやりたいコトしかしねェし。
こんなコトに首突っ込んでンのも、柔道部のためじゃねェし。
私的な事情があるからだし?」
由仁が日向を見下ろし、艶やかに微笑む。
ほらほら、わかンでショ?
一生懸命なダレかさんのためにやってンだよ?
だが日向は、不思議そうに由仁を見つめるダケ。
「…
ヒナって、バカだよネー…」
「は?私?
ナンスカ、急に。」
由仁は肩を落とし、不満げに唇を尖らせる日向から目を逸らした。
ハイ、報われない愛デス。
ご愁傷サマ。
憮然とした由仁が、八つ当たりぎみにAくんを睨む。
「…もーいーし。
ハイハイ、もーいーしー。
君もつまんないコトばっか気にしてないで、好きなよーにすればイイよ。
呪いごっこは、もうやめてもらうケドー。」
アンタは拗ねたコドモか。



