彼と初めて会ったきっかけは、お姉ちゃんの紹介だった。



今から三年前だからわたしと彼はその時14歳で、お姉ちゃんは高校2年生。


ー彼、伊織君。家庭教師のバイトで知り合ったの。よろしくね。


その時から長身だった彼は、わたしのクラスメイトの男子が子どもに思えてしまうぐらい、言動や仕草も落ち着いてみえた。


ー茜さんに妹がいたんだ。よろしく。





それから、彼がお姉ちゃんを訪ねてよく家に遊びに来るようになって半月した頃。

初めて会った時から薄々はそうじゃないかと思っていたけれど、お姉ちゃんと一緒にいる彼を見れば一目瞭然だった。


お姉ちゃんを見つめる優しい眼差し。


お姉ちゃんだけに見せる柔らかい笑顔。




ー茜さん。




お姉ちゃんを呼ぶ声もすべて。





ーすき、です。





わたしはいつの間にか、手に入れたいと思っていたんだ。