「智充君とキスしたって本当?」
単刀直入な質問。
本当もなにも、Twitterで流れたあの画像を見れば、そんなこと聞かなくても分かるのに。
わたしは何も答えなかった。
それを肯定と受けとったのか、谷口さんはさらに突っ込んだことを聞いてきた。
「智充君と付き合ってるの?」
「いつから?」
「どっちから告白したの?」
わたしが黙っているのをいいことに、そこからは質問の嵐。
やりきれなくて席を外そうとすると、ちょうど彼が教室に入ってくるところだった。
「おー羽生、今日も社長出勤ですか」
「るせー」
「伊織君、おはよう」谷口さんが彼の元に駆け寄る。
「はよ」
彼がわたしをちらり、と見た。
「愛菜、さっき何の話してたん」
「えっ」
「宮川がどうのこうのって聞こえたけど」
「あ、うん伊織君も見たでしょ。近藤君のTwitter」
彼はすぐに状況を理解したようだった。
「…アレね」


