「おはよー、由梨。昨日の休みは満喫したの?」


「えっ?」


「何、ビックリしてんのよ」


沙希って鋭いところがあるから、見透かされたかと思った。


「もー聞いてよ。

昨日は一日、社長の小間使いよー。

どうしてあたしに矛先が向いちゃったのかしら。

由梨、今まであの社長の命令によく耐えてたわねー。

あーあ、新人ってこれだからイヤよねー」


社長……。


確かに、顔も見ずに命令されるのはイヤだった。


だけど、いざ何も言ってもらえなくなると、すごく悲しい。


自分から酒に付き合えって言ったくせに。


言われた通り付き合ったのに。


私が相手じゃ満足出来なかったのかな?


どうして私を避けるの?


あまりにもさみし過ぎる。


男の人ってわからない。


わからないと言えば……。