スッ………と。
柊先生が檻から4、5歩ほど離れる。
………そして、満面の笑みで言い放った。

「………やれ、天斬。
学園を襲撃した目的を吐かせるんだ。」

………怖っ!
柊先生って、あんなキャラだったっけ!?

私は、軽く身震いしながら
先生の言葉に軽い引っ掛かりを感じる。

ってか、“やれ”って何するんだろ?
雷君にしか出来ないことなのかなぁー?

私は首をひねり、雷君を見た。
瞬間、誰かがグッと私を後ろに引っ張る。

「キャッ………!」

「おっと…。ごめんな、亜琥亜。
………けど、もっと下がった方が良いよ?」

いきなり引っ張られたせいで、
倒れそうになった私を支えてくれたのは
大地君だった。

………ってことは、引っ張ったのも
大地君なんだね。
……少しだけ、恨むよ?

私は、そこまで考えた後
大地君の言葉にようやく反応した。

「あっ、ごめんね。ありがとう、大地君。
それで、なんで下がった方が」

ドオオオオォォォン!!!

………急な爆撃音に、私の声はかき消される。

「うわっ、なんだよ!」

「黒ずくめの人たちが、また来たの!?」

「何!?びっくりしたぁーー!!」

後ろに立っている火焔、氷華、音色が
口々に言葉を発する。
そのどれもが、さっきの爆撃音についてだ。

私は、驚きながらも戦闘体制に入る。
………また、襲撃だったら危ないしね。