………広っ!!
それが、初めて入った感想だった。
普通のラボの倍近くある広さだが、
中には何も無い。
例えるならめちゃくちゃ広い
普通の学校の体育館だ。
でも、もっと凄いのかなぁと思ったのに。
ちょっと残念………。
そんな落胆している私の心情など露知らず、
柊先生は話を始めた。
「………じゃあ、始めるぞ。
雷風、神風。そこに降ろしてくれ。」
そう言うと、ラボの中心あたりを指差す。
「はーい。」
「分かりました。」
私は軽く、大地君は丁寧に返事すると
黒ずくめの人たちが入っている檻を
慎重に降ろした。
「あぁ、ご苦労。
じゃあ、次は………天斬。」
「………はい。」
柊先生に応えるとともに、
壁に寄りかかっていた雷君は
すっ…と私の右斜め前、檻の前にいる
柊先生の横に立つ。
………なんで、雷君が?
私の疑問はみんなも感じたようで、
私の後ろにいる氷華と音色、
二人より少し後ろの、左側に立っている火焔も
不思議そうな顔をしている。
………ただ、大地君だけは
何もかもお見通しかのように、
軽く微笑みを浮かべながら私の横にいるけど。