私たちは、黒ずくめの人たちの十歩ほど
前で、立ち止まる。
そして、私は口を開く。
………………が、
それより先に氷華が怒りを爆発させた。

「あんたたちねぇ………
ふざけるのも、いい加減にしてくれる?
………どうせ、私たちに負けるのに。」

「僕も、そう思うな。
だって………君たち弱そうだもん♪」

キレているのか、普段、
人に悪口を言わなそうな音色まで
嫌味を言い出す。

………二人とも、怖っ!
いや、私もキレてたよ!?
キレてたけど、全部言われたから、
何も言えなくなっちゃったじゃないか!!

なんて、私がよく分からない思考回路に
なっている間に、目の前の黒ずくめの人たちも
キレたみたいだ。

「ふざけるな?
それは、こっちの台詞だ!!」

「言いたい放題、言いやがって……!」

「餓鬼だからって、手加減しねぇからな!!」

「「「覚悟しろよ!!」」」

そう言って、黒ずくめの人たちは
私たちに向かって、スターを発動させた。


「………覚悟しろって、言われても。
どうせ、負けるのはそっちなのにね。」

私は、ボソッと呟くと
向かってくるスターに向けて、
両手を上げた。


火、草、氷の三種類かぁ。




………………楽勝♪

私は、軽く口角を上げると
右手を大きく横に一振りし、
左手を上に振り上げた。