ふぅ……………。
良かった、結構簡単に消えてくれて。
私の麒麟の方が先に消えちゃうかと思った。
「亜琥亜、お疲れー。」
「あ、ありがとう亜琥亜!
僕が言ったのに、何も手伝わなくて
ごめんね………?」
私が、1人満足していると
二人が駆け寄ってきた。
氷華は笑顔で、音色は申し訳なさそうに。
「うん、お疲れ!
大丈夫、大丈夫!
気にしなくてもいいよ、音色♪」
なんて、私が二人に返事していると
急に寒気がした。
と、同時にポンッと肩に手が置かれる。
「おい、亜琥亜……。」
「は、はい!!」
いつもより数倍低いトーンに怯えながら、
慌てて後ろを振り向き、ピシッと姿勢を正す。
「あのなぁ………
何でいきなり、スター使うんだよ!!
しかも、何で朱雀を消したんだ!!」
大声で怒鳴られ、私といつの間にか
姿勢を正していた氷華と音色は
ビクッと体がすくんだ。
「ご、ごめんなさい………。」
「………で、邪魔した理由は?」
謝っても追及され、
私は口をモゴモゴとさせる。
………だって、言えないじゃん。
音色の言い分も、最もだし。
「………………。」
無言で睨んでくる火焔に、
仕方なく口を開く。
「………それは「亜琥亜と氷華は悪くないよ!」
私の言葉は後ろから聞こえた声に
遮られた。
「どういう意味だ?」
「ぼ、僕が二人に頼んだんだ。
木々たちが泣いていたから………
止めてほしいって。
だから、二人は悪くない………です。」
少し怯えながらも、
はっきりと理由を話していく音色。
その音色の言葉に、
火焔の顔には困惑が広がっていった。
「朱雀の火で、木々たちが燃えてて………
僕、見てられなくて………
けど!」
「ちょ、ちょっと待て!」
音色の言葉に食いぎみに話し出した火焔。
もはや、怒っている気配は無い。
