「氷華、手伝って!」
話を聞いていたのか、氷華は
すぐに了承してくれる。
「もちろん!何手伝えばいい?」
「とりあえず、朱雀の動きを止めてくれない?
一瞬でいいから!」
「了解!」
そう言うが否や、氷華は両手を動かし始めた。
それを横目で見た後、
私も急いで両手を動かし、創造を始める。
「準備、オーケー!」
「私も大丈夫!
合図するから、よろしく!」
氷華は大量の氷のつぶを、
私は麒麟を、湖の上に創り出す。
………その時、ようやく火焔が
私たちが何かしていることに気づいたようだ。
「ちょっ、お前ら!!
何する気だよ!」
火焔がそう叫ぶと同時に、
朱雀の動きが止まる。
どうやら、火焔は私たちに集中していて
朱雀のことを忘れているみたい。
………今だっ!
「氷華、今だよ!
………火焔、ごめんねー!」
氷華に合図した後、
一応火焔に謝っておく。
………だって、後で文句言われるに
決まってるもん!
そう思った時、湖の上から朱雀に向かい
大量の氷のつぶが飛んで行った。
そのまま朱雀の周りに浮遊し、動きを封じる。
「亜琥亜!長くは持たないよっ!
………………あとは、任せたからね♪」
氷華の笑顔に笑い返してから、
私は手を一度だけ、思いっきり横に振る。
その動きに応えて、
麒麟が朱雀に一直線に飛んでいった!
………そして、朱雀と麒麟がぶつかった瞬間、
きゃおおおぉぉぉんと
甲高い声を再びあげながら、
朱雀はジュワァ………と消えていった。
