「いやっ、深い意味は無いんだけどねっ。
ただ………私には三人みたいに、
何でも言い合える友達がいなかったから………。」

音色は美しく、けれどどこ悲しげに微笑んだ。

「「……………………。」」

私たちは、黙り混むしかなかった。
そんな私たちの様子を見て、
音色は慌てて言葉を付け加えた。

「ご、ごめん!暗いよね!
ほんと気にしないで!」

私は、ゆっくり口を開く。

「………音色。」

「う、うん。なぁに?亜琥亜。」

「………………なに言ってるの?」

「え?」

私の言葉に、音色のきれいな顔が
少し間抜けな顔になる。

音色、可愛いのに台無しになってるよ……。

何て、違うことを考えながらも
音色に諭すように言葉を続ける。

「だって………音色は、私たちの友達でしょ?
だから、いいなーって思うなら
今度勝負でもする?
………安全は保証しないけど。」

「そうそう、亜琥亜の言うとおり!
音色も今度、勝負しよっ!」

私の言葉に氷華も乗っかってきた。
………まぁ、いいけどね。

私たちの言葉を聞いた音色は、
最初は不思議そうな顔をしていたけれど
意味が分かったのか、目がうるうるしてきた。

けれど、それ以上に嬉しそうに微笑んだ。

「ありがと!
うん、今度勝負しようね♪」

私と氷華は、微笑みながら
首を縦に降った。
………ところで、また湖の方から
怒鳴り声が聞こえてきた。

「だから、お前らぁ!!
ちゃんと見てろって言ったの何回目だよ!」

「「「すみませぇん……………。」」」

私たち三人は謝りながら、
今度こそはちゃんと見ないと、火焔が怖い!
という考えに行き着き、
火焔の方に向き直るのだった。