能力育成学園


生まれた。

まさにそんな言葉がふさわしいような光景が
目に飛び込んでくる。

ギャーオと叫びながら
炎球から生まれてくるのは火の鳥。
……………いや、朱雀と言うほうが合っている。


「………………えっ?」

「なんで?」

「だから、火焔は
あんなに自信満々だったんだ………。」

私たちは顔を見合わせ、
唖然とした表情をする。

………いや、しょうがないからね!?
普通は、スターで産み出されたものは
鳴き声なんてあげない。

だって………………“生き物ではない”んだもん。
でも、今目の前にいる朱雀は、
鳴き声をあげた。
つまり、生きているってことだ。


「「「あり得ない…………。」」」

「それが、あり得るんだよ。」

私たちの方を振り返り、
火焔は自慢気な声を発する。

「亜琥亜は創造と青眼、ダブルスター。
氷華は魅了だろ?
俺にも、他の奴らに真似出来ないような
ことしないと、お前らと対等のライバルに
なれないからな。
これでも俺、焦ってたんだぜ?」

そう言って、ニカッと笑う火焔に
私たちは驚きながらも、笑い返す。

「大丈夫!自信持てーー!」

「火焔は、十分凄いから!
………………負けないけどね。」

私たちの言葉が聞こえたのか、
もう一度笑って、朱雀に向き直る火焔。

「………いいな、そんな友達がいて。」

後ろに立っている音色がポツリと
そう漏らした。

「え?」

「どういうこと?」

私と氷華は首を少しかしげながら、
音色の言った言葉の意味を考える。