「すぅ……………。」
火焔がゆっくり、腕を上げながら
息を吸い込む。
「…………………はっ!」
火焔が気合いの入った掛け声を発する。
すると、湖の近くにあった数本の木に
火が付いた!
「きゃっ!………………痛そう……。」
後ろから悲鳴が聞こえたかと思うと、
木々を思いやる、優しい音色の声が聞こえる。
だが、火焔はそんなこと気にも止めず
燃えている木々に手を向けて、
素早く両手を動かした。
その火焔の行動に答えるかのように、
炎がゆっくりと一つになる。
そして、何か丸い形のものが出来た。
………あれ、何なんだろ?
あんなに偉そうなことを言ったんだから、
ただの炎球じゃないだろうし……。
そんなことを考えていると、
火焔が再び素早く両手を動かしている。
