タッと、力強く地を蹴る音が聞こえた。
音のした方向を見ると、白虎が
力強く、されど美しく空に駆け出していく。
白虎が空に登っていく後には、
まるでダイアモンドのような氷の粒が
散りばめられ、目の前の光景をより美しく
している。
そして、誰からともなく、
当たり前のように声が漏れた。
「うっわぁ……!!」
「キレーイ……。」
「さすが、“魅了の氷華”だな。」
あ、“魅了の氷華”とは、
Bクラスでの氷華のあだ名です。
スターを操るのが、
あまりにもキレイだから、いつの間にか
そう呼ばれるようになった。
「あはは、ありがと。
………でも、まだまだこれから!」
氷華は、そう叫ぶと
上げていた両手を素早く動かす。
………その姿さえも、人々を魅了するほど
キレイだった。
氷華が、両手を動かすたびに
白虎は空を美しく駆ける。
しばらく空を走り回った後、
白虎は再び湖の縁に降り立った。
そして、ゆっくりと湖の上へと歩いていく。
