「じゃあ、いきますよー?」
「よろしくー♪」
私は、はぁ……、と1つため息をついた後
上げた手をシュッと横に一降りする。
すると、さっきと同じく
湖の水が半分ほど浮き上がった。
私は、その様子を見て
次は手を素早く動かす。
「おー、これまたキレイに創られてるなぁ。」
後ろから火焔の感心した声が聞こえる。
………うん。私もそう思う。
久しぶりに、ここまでキレイに創れたよ。
自分でそう自画自賛したくなるほど、
湖の縁に立っている白虎はリアルだった。
水で出来ているため、透明だが
まるで色がついているように見える。
「うわぁ……。
やっぱり亜琥亜、腕上がったでしょ。
こんなにキレイに創ってくれて、ありがと。
………私も負けられないね。」
そう言って、私に向けて氷華は微笑んだ。
そして、白虎の隣まで歩く。
かと思えば、真剣な顔をして手をかざす。
「すぅっ……………。」
氷華は、大きく息を吸い込むと
白虎を頭の方から、ゆっくりなぞっていった。
するとゆっくり、されど確実に
白虎が凍っていく。
頭………背中………お腹………尻尾……。
氷華が全てなぞり終えると、
そこに立っていたのは、水ではなく
氷でできた白虎だった。
………氷華も十分に腕上がってるじゃん。
普通、他人が創ったものを凍らせると
細かい部分までは、再現出来ない。
けれど今、湖の縁に立っている白虎は
私が創ったまま凍っている。
………つまり、氷華もスターを操るのが
十分に上手いってことだ。
私と同じことを思ったのか、
後ろからも歓声が聞こえてくる。
