能力育成学園


「亜琥亜ー、ちょっと手伝って?」

「なんでよー………。
あんまりスター使うと疲れるんだけど。」

ニコッと最上級の笑顔で、
私をこき使う言葉に不満の色を示す。

「だって、1から氷を創ってたら、
時間がかかるじゃない。
亜琥亜みたいに、創造が得意な訳じゃ
ないんだし。」

………確かにそうだけど。
たまたま、湖があったから
私は1から創れたけど、普通は絶対無理。
………………しょうがない。
手伝ってあげますか。


氷華の言葉に自問自答をした結果、
“手伝うしかない”という結論に至った。
半ば諦めながら、氷華に返事を返す。

「分かったよ、氷華ー………。
で、何を創ればいいの?」

「さっすが、亜琥亜!
えっとね………亜琥亜が龍だったから………
白虎!!よろしくー♪」

はいはい。
分かりましたよー……。

心の中で返事を返したあと、
湖の方へ向けて、手を上げる。

「あ、亜琥亜ー……。
そんなにスター使って、大丈夫?」

音色の心配そうな声が、後ろから聞こえる。

音色!!
心配してくれるのは、君だけだよ!

なんて、少し感激しながら
音色の方を向き、ニコッと笑った。

「ありがと、音色。
ああいう風に氷華も言ってるけど
私が大丈夫って知ってるから言ってるんだ。
だから、大丈夫♪」

そう私が言うと、ほっとしたような
顔になる音色。
その顔を見て、もう一度笑うと
再び湖の方を向き、手を上げた。