「じゃあ、始めまーす!」
私は、湖の縁に立つと
手を上げて始めの合図を示す。
三人が、少し下がったのを見ると
私は両手を湖に向けて、
ふぅー……と息を吐く。
そして、ゆっくり両手を下から上に上げる。
すると、湖の水が半分ほど空中に
浮き上がる。
「んーーしょっと!」
その声と同時に、私は両手を素早く動かし
天井に着きそうなぐらいの大きな水龍を創る。
「わあー!」
「亜琥亜の得意な創造ね……。」
「相変わらず、キレイに創りやがるなぁ…。」
様々な声が聞こえてきたため
後ろを向いて、少し笑う。
そして、また前を向き、
手を動かすと、創った水龍が動き出す!
再び、後ろから歓声が聞こえてきた。
ふふっ、まだこれからだよ♪
なんて、思いながら水龍を色んな所に
移動させた。
湖の上から、木々の間。
最後に三人の頭上を移動させると
歓声が一際大きくなる。
よーし!ラスト!!
私は、最後に大きく手を動かした。
その動きに答えるかのように、
水龍が一回転すると、パンッと弾けて
星が降るかのように、キラキラと輝きながら
湖に戻っていった。
