能力育成学園


「ひょ、氷華!?火焔!?」

私は驚きのあまり、情けない声を出す。

だって、後ろ向きに引っ張られてるんだよ!?
怖いってばぁー!

「ごめん、亜琥亜。」

少し離れた場所で、急に手を離してくれたと
思ったら、氷華にいきなり謝られた。
火焔は、何故か口が半開きのまま
固まっている。

「へっ!?ど、どうしたの、氷華?」

「いや、あんたの話を少し疑ってた私が
恥ずかしいわ。
まさか、本当に会えるとは思ってなくて…… 。」

う、疑ってたの!?
………まあ、二人の話を聞いてると
有名人っぽいみたいだからね。
仕方ないかぁ……。

「な、なぁ亜琥亜。」

氷華の話のことを考えていると、
いきなり火焔が動き出した。

「火焔?どうしたの?
まさか、火焔まで疑ってたとか!?」

そうだったら、ちょっと傷付くぞ!

「あ、いや、まぁ少し疑ってたけど……。
そうじゃなくて、あのさ、
あそこにいた女の子って、草野音色……
だよな?」

「うん、さっき紹介したじゃん。」

で、やっぱり疑ってたんだね……。
ひどいよ、二人とも……。

「だ、だよな!うわ、やべぇ……。
俺、実物は始めて見たわ……。」

火焔は、1人で「やっぱ可愛い!」
「感動だわぁ……。」なんて、
ぶつぶつ言っている。

実物とか………
音色は見せ物じゃないんだからね!