───大好きな歌を歌いたい。 あのときの、花音の言葉。 歌よりも先に、俺と話したいって言ってくれたけど。 その声で、1番最初に俺の名前を呼んでくれたけど……。 花音は確かに、歌を歌いたいと言った。 それは、その夢があったからなんだな。 「私、優くんのおかげでこの声を取り戻せた。 だから、この夢を諦めないでいれたの」 「俺も、花音の声が聞けてよかったよ」 そして、夢を叶えようとする花音にひとつ、提案した。