優くんは、私の声に気づいて上を向く。 「あっ!花音!」 思わず名前を呼んじゃったけど、どうしよう。 「なになに!?先輩がいたの!?」 「おー!偶然じゃん! 良かったな!木崎!!」 沢田くん達に、茶化された…。 「行ってきなよ!!」 クラスで友達になった女の子が、笑ってそう言う。 行きたい。 あの空き教室の窓のところにある花壇に、優くんはいる。 「うん!行ってくるね!!」 私は照れながらも、うなずいて席をたった。