「全然関わりのない男子がね。

『大丈夫!?』とか言って、窓から教室に入ってきたの。
……いきなり現れて、びっくりした。

神様の贈り物かと思った……」




あの日は、今日みたいにすごくいい天気だったらしく、


放課後の太陽に照らされて現れたその男の子が、神様みたいに見えたらしい。





……さくら先輩の、嬉しそうな話し方で分かる。




その男の子は、優くんだってこと。




───────────。




「……それから、三浦と話すようになった。
同じ高校に行けて、同じクラスになれて、それだけで幸せだった」




さくら先輩の話を、今ではうなずきながら聞ける。



だって私も、優くんに恋してるから。




「三浦に恋して、みんなに明るくなったねって言われた。
恋ってすごいって思った。
私、三浦のおかげで変わることができた」



私も同じ。

諦めていた声を、取り戻したいって思った。


優くんのおかげで、いろんなことが変わった。


それを伝えたくて、私は地面に落ちていた木の枝を手に取った。



そして、砂利のところに文字を書く。



〔私も、同じです〕