きっとこの人は、たくさんの人に好かれてるんだろうなって思った。
私は沢田くんの言葉にコクンとうなずく。
「……じゃあ、用済んだし、帰るわ」
そして席をたつ沢田くんは、教室のドアの方まで歩いて行った。
私はそのジッと見つめている。
すると、突然クルッとふりかえった。
「……帰んねぇーの?」
そう聞かれて、私はハッとした。
時計を見ると1時を過ぎていて。
優くんもいるわけないだろうし、帰ろう。
席をたちあがり、鞄を手に持つ。
ドアの方に向かうと、まだ沢田くんがいた。
不思議に思ったけど、
「んじゃ、行こ」
なんて言われて…。
拒む理由もないし、
一緒に帰ってくれるの? なんて聞ける声もないから、
私はうなずくことだけをした。


