───初めての感情。 それは、私の中に確かに芽生えはじめた小さな蕾。 ”友達のありがたさ“ “友達といることの楽しさ” ほんのわずかだったけど、分かった気がする。 「………あ、りがとう……」 光莉ちゃんと愛花ちゃんを見て、私は微笑んだ。 「表情がやわらかくなったね、陽乃」 「うん。笑顔がもっと魅力的になった!」 ふたりが言ってくれた言葉。 この言葉が本当だとすれば、きっと…─。