…翌日。
昨日が丸い月だったのだから、今日の太陽も丸いだろうと勝手に予想をしていた。
だが、カーテンを開けると予想を裏切られる光景が広がっていた。
それは、濁った空。
太陽など見えていない。恥ずかしいのだろうか?それとも気分が上がらないのだろうか?
「雨が降りそう…」
今にでも降りそうだ。
フィリピンはあまり雨が降らないのに。
やめて、降らないで。
今日はあたしにとって大切な休日なのだから。
「おはよう、お母さん」
リビングに顔を出すと、朝食を作る母がいた。
この匂いは、カレー。
昨日の余ったものを温めているようだ。
あたしは一日置いたカレーの方が好きだからいいのだけど。
「明菜、おはよう。
今日も行くの?雨降りそうよ?」
「行くよ。雨降りだしたら帰ってくるから。毎週見ないとダメなの。」
こう言うと、母は納得したような笑顔を見せた。
テレビから聞こえる、天気予報。
「全国的に雨でしょう」
どうだっていいわよ。
雨だろうが、台風だろうが。
あの海を見たいの。
朝食を済ませ、部屋で軽く化粧をし、視線をあるものに移す。
それはアコースティックギター。
「まだ挨拶してなかったね。…おはよう」
あたしの愛用ギター。


