紫乃さん、ありがとうございます。


千絵を幸せにしてくれて。

千絵の成長はあたしにとっての幸せです。



あたしは真っ青な空を見上げる。




その時、ポケットの中に入っていた携帯電話が震え出した。
誰だ?と思い、携帯を取り出すと、液晶画面に映し出された文字を見て、あたしの涙腺が緩む。



「光…」



《もしもし?明菜?》



ちょうど貴方の声を聴きたいと思っていたの。



「どうかしたの?珍しいじゃない。休日に電話かけてくるなんて。」



《明菜の声が聴きたくなったんだ。千絵を見ていると君に逢いたくなるよ》



あたしもよ。
けど声だけで十分。

だってあたしと貴方は見えない赤い糸で繋がっているから。



「千絵に言っといてくれるかな?
『お誕生日おめでとう』って」



千絵、お誕生日おめでとう。
またいつか一緒に祝える日を楽しみにしています。



ねぇ、光。
あたしたちの恋は「期間限定」なんかじゃないよね?
あたしは信じている。



この恋は、
「永遠の恋」だと。




あたしは今日も唄う。
貴方を想って唄うの。



貴方が大好きだと言ってくれた、ラブソングを。


この海から…。



聴こえますか?



──光。











「光…
I Iove you …」












《完》