聞こえるのは、雨の音と光の甘い声だけ。
感じるのは、光の温もりだけ。
軽い女だと思われたっていい。
友達に「明菜って結局そうなんだね」って幻滅されたっていい。
あたしはもうこんなにも愛している。
けど心に引っかかるもの。
それは身分の差と、光の最愛の人のこと。
あたしみたいな田舎娘に、光は本気にならないことくらい分かったいる。けどこの温もりは確かに感じられる…。
今日だけ…、
今日だけ光の一番になりたい。
ごめんなさい。
今日だけ光をあたしのモノにさせてくれますか?
「明菜…」
「お願い、電気を消して…あと鍵もしめて…両親が来るかも…」
心臓が飛び出るくらい緊張しているあたし。
ほら、肩がさっきから震えている。
上半身裸の光。
無駄な肉などなくて、筋肉美の体。
その姿にまた心臓が弾む。
「大丈夫。入ってこないよ。お父さんはこういう結果を望んでいたから…」
「どういうこと?」
光の言っている意味が分からない。
父は初めから望んでいたの?
ふと思い出した。
父は収入のいい人と結婚させたがっていた。
それは…光のことなの?
こう思った瞬間、全身の力が一気に抜けた。
「お父さんが明菜と引きわあせてくれたんだよ。オレは明菜を愛すためにここに来たんだ。」
あたしは光の顔を包み込み、涙を一粒流した。
「光…あたしを奪ってください…」
「明菜は素直だね…」


