また逢えるって信じていた。
どうしてかは分からないけど、そんな気がした。
光の笑顔がまた見れるって信じていた…。
「あなたが分からないわ。奥さんだっているでしょ?それなのに、こんなとこにいていいの?」
出来るだけ光に顔を見せないように、下を向いて言葉を並べていく。
「いつ帰れるか分からないしね…今は息抜きをしたいんだ…」
「なに、それ…奥さんが可哀想よ」
「奥さんはオレを想っていてくれるから。それよりさ…」
その自信はどこからやってくるのよ。
教えて欲しいわ。
すると光は立ち上がり、ギターケースからギターを取り出した。
その行動を目で追っていく。
もしかして、光…弾くの?
「え…?」
「明菜、ギター弾いてよ。」
ギターを差し出す光に戸惑いを隠せない。
何でよ?
ここで?
しかも光の前で?
いつもは海しか観客がいなかったし、浜辺がステージだったし…
今は違う。
観客は光に、ステージはあたしの部屋。
嫌よ、そんなの。
「嫌よ。今は歌えないわ…」
「オレは聴きたいんだ。明菜の唄が…」
あたしの顔を真っ直ぐ見て微笑む光。
その笑顔にドクンと胸が弾む。
「少し…だけよ…?」
ごめんなさい…
あたしの心は…
もう貴方に奪われてしまいました…。


