リミットラブ



「夢だったら良かったのに」と何度思っただろう。

けど今はこう思う。

「夢じゃなくて良かった」と…。



冷たい髪の毛。
濡れた肌。


あたしは体を起こし、クローゼットの中から部屋着を取り出した。
休日までお洒落しなくてもいいでしょう?
楽な格好が一番よ。


取り出した部屋着に着替えて、髪の毛を乾かしていく。

雨の匂いが漂ってくる。

ふと視線を窓に移すと、窓に滴が沢山ついていた。
流れ落ちていく滴。

その滴が誰かの涙のよう。


誰が泣いているの?


そんなの、わかるはずない。




気がついたら昼になっていて、昼からはずっと部屋でDVD鑑賞をしていた。
好きな映画はラブストーリー。
自分でも分かるよ、矛盾してるって。


映画の恋愛には興味があるが、現実ではしたくない。


映画のような運命的な出逢いなんて実際ないことくらい知っているから。

だからそう思うのかな?


主演の女優が幸せそうに笑う。
恋をしたらこうやって笑えるのかな?


無理、無理。
あたしには無理。



こう心の中で言いながら、首を振った。



「明菜?」



突然、玄関先から母の声が聞こえた。

あたしは一時停止ボタンを押し、ドアを開ける。


「なに?」