この言葉を言ったあと、再び光の顔を見ると真剣な瞳に変わっていた。
その横顔に、胸が騒ぐ。息ができなくなるくらい、光の横顔が素敵だった。
「あの…人?」
「…たとえ浮気相手でも、真剣に愛していたよ。妻と同じくらいね。けど世間はひどすぎる。」
こう言って小さく笑う光。
後悔が押し寄せる。
なんであんなこと言ってしまったのだろう。
画像で光を見たときに思った印象は、そのままだった。
彼は精一杯愛していたのだ…。
「ごめん…なさい。理不尽なことを言ってしまって…。けど、あたしには分からないわ。人を愛したことなんてないもの」
「今まで好きな人とかいなかったの?」
初対面の人になにを話しているのだろう。
もう自分でも分からなくなってきた。
初めて会う人にこんなに心を開いたのは初めてかもしれない。
「ないわよ、笑っちゃうでしょ…。あたしはこのまま一人で死んでいくのよ」
砂浜の砂を手にとると、風が吹いた。
砂はその風に乗って、パラパラとなくなっていく。
あたしもこうなる、きっと。
今は一人じゃなくても、いつかは一人になる日がくるのよ。
「そんな悲しいこと言わないでよ…。あんなにいい歌詞が書けるんだから…」
「あんな歌詞、デタラメよ…」


