二十歳か。

「まだ1年あるやろ?」

「え?」

「1年あれば、愛の1つや2つ見つかるよ。」

「…タケ、俺は18年間見つけられんかったんよ。」

「わからんやん。一年の間になんか変化あるかもしらんやん。」

「1年なんてあっという間やん。」

「1年は短いようで意外と長いよ。」

嘘。本当は、長いようで短い。愛が見つかるなんていう根拠もなけりゃ、自信もない。不安ばかりだ。でも、気休めでも、そう言うしかなかった。