「あの…」

「まあ座れ。」

「…はい。」

有無を言わさぬ面持ち。

「失礼します。」

メイドさんがお茶を持ってきた。

「あ、ありがとうございます。」

「君の名前は?」

「名乗るの忘れてましたね、すみません。竹崎文太といいます。」

「そうか、文太くんか。早速本題だが、文太くんは俊介の皮膚のこと知ってるんだろう?」

「え、あ、昨日俺がカップ麺ひっくり返して俊介くんの腕にかけちゃって…」

「俊介。」

「…。」

戸上は無言でトレーナーを脱いだ。

左腕と左胸、それから背中全体が緑の鱗で覆われていた。

「あと、左のふくらはぎと、右の太もも。」

「病気…?」

「違う。呪いじゃ。」

「へ?」

呪い…?は?呪い?いやいやいや。

「え、あの、」

「龍の呪いじゃ。」

「…はあ。」

理解できなくて曖昧に相づちを打つ。