「え、なん?どしたん?」

どうやら愛ちゃんは見えなかったようだ。

「とりあえず、王子…じゃなくて戸上くんは腕冷やしといで!私モップとってくるから、タケくん荷物番ね!」

愛ちゃんは走って行ってしまった。

「戸上…あの…」

「…もう俺に近寄るな。」

戸上は鞄を持ったまま階段を下りていった。

そのまま、午後の授業に彼は来なかった。